はじめに
こんにちは、パイセンログを運営しているパイセンです。
この記事では、東京科学大学大学院(旧・東京工業大学)機械系の外部受験を考えている方向けに、出願条件から研究室選び、勉強法、そして合格後の進路までを体系的にまとめます。
外部受験は「情報の少なさ」「研究室訪問の難しさ」など、内部進学とは異なるハードルがあります。しかし、しっかりと情報を整理し、早期に準備を始めれば十分に合格を狙えます。この記事がその第一歩になれば幸いです。
東京科学大学大学院とは?機械系の特徴と魅力
東京科学大学は、2024年に東京工業大学と東京医科歯科大学が統合してできた新しい国立大学です。
理工学と医療・生命科学をつなぐ「理工医融合大学」を目指していて、研究の幅がとても広いのが特徴です。
大学院が中心の大学
東京科学大学は、学部よりも大学院生の方が多い“大学院中心”の大学です。
もともと研究志向が強い東工大をベースにしているため、研究室や設備が大学院向けに整っています。
そのため、他大学からの進学、いわゆる「外部受験」の学生が多いのも特徴です。
実際に、修士課程の学生の半分以上が外部出身と言われており、他大学からでも受け入れやすい雰囲気があります。
ポイント
・大学院生が多く、外部から入りやすい
・研究室数が多く、興味のあるテーマを見つけやすい
・TOEICスコアで受験できる(英語筆記なし)
TOEICスコアで受験可能
英語試験はTOEICまたはTOEFLのスコア提出で代用できます。
つまり、わざわざ大学独自の英語試験を受ける必要がなく、普段から準備しているTOEICの勉強がそのまま使えるのです。
これは外部受験者にとって大きなメリットです。
機械系の特徴と研究分野の広さ
東京科学大学の「機械系(Mechanical Engineering)」は、旧・東工大の伝統ある専攻をそのまま引き継いでいます。
基礎理論から応用研究まで幅広く、30を超える研究室があります。
| 分野 | 研究テーマの例 |
|---|---|
| ロボティクス・メカトロニクス | 医療ロボット、ソフトロボット、マイクロアクチュエータ |
| 熱流体工学 | 熱エネルギー変換、伝熱、流体シミュレーション |
| 材料・構造力学 | 複合材料、ひずみセンサ、構造最適化 |
| 設計・制御工学 | 最適設計、AI制御、機械システム解析 |
これだけ研究室が多いので、「自分がやりたいテーマが必ず見つかる」と言っても過言ではありません。
分野をまたいだテーマ(例:ロボット×材料、医療×流体など)にも挑戦しやすい環境です。
魅力まとめ
- 研究に集中できる大学院中心の環境
- 外部生が多く、オープンな雰囲気
- TOEICで受験OKという柔軟な制度
- 30以上の研究室から自分に合ったテーマを選べる
外部受験の基本情報:出願条件・試験内容・日程
東京科学大学大学院の機械系は、外部受験者が多く、毎年全国の大学から多くの学生が受験しています。
ここでは出願の基本条件や試験内容、日程の流れを整理して紹介します。
出願条件と必要書類
出願できるのは、以下の条件を満たす人です。
- 大学を卒業、または卒業見込みの者
- 学士と同等の資格を有する者(高専専攻科卒など)
提出書類(2026年度募集要項より)
- 願書
- 成績証明書
- 志望理由書
- TOEICまたはTOEFLスコア(英語筆記免除)
英語試験は行われず、TOEIC/TOEFLスコアの提出で代替されます。
「TOEICスコア730以上あれば十分」と教授から聞いた学生も多く、目安は700〜750点程度です。
1回目で700点以上取るのは難しいと思うので、余裕をもって対策をしましょう。
僕は11月からTOEICの勉強を始め、12月末にを受け585点でしたが、危機感を持ち本格的に勉強し、最終的に3月で795点をとれました。詳しい勉強法はまた別の記事で書こうと思っているのでぜひ見てください。
試験内容
試験は大きく分けて 筆記試験 と 口述試験(面接) の2段階です。
筆記試験(専門科目)
筆記は、以下の4科目です。
- 材料力学
- 熱力学
- 流体力学
- 機械力学
試験時間は3時間で、全4問必答です。
2026年度の情報
- 試験時間:9:30〜12:30(3時間)
- 会場:大岡山キャンパス 石川台地区
- 持ち物:受験票・筆記用具・腕時計(教室に時計なし)
口述試験(面接)
筆記試験を通過した受験者のみが受ける形式で、教授3名に対して受験者1名の個人面接が行われます。
面接時間はおよそ10〜15分ほどでした。
全体的に穏やかな雰囲気で、筆記試験ほど厳しい評価ではなく、研究内容への理解度や受け答えの姿勢が重視される印象です。
質問内容の詳細はお伝えできませんが、ほとんどが志望理由書に書いた内容に関するものでした。したがって、提出前に志望理由書をよく読み込み、自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
また、面接が始まるまで待ち時間が長く、電子機器の使用は禁止されています。
その時間を有効に使うためにも、事前に志望理由書を印刷しておき、読み返しながら内容を整理しておくのがおすすめです。
科目ごとの出題傾向
近年の試験傾向は以下のように変化しています。
| 科目 | 最近の傾向 | 2025〜26年度に向けた対策ポイント |
|---|---|---|
| 材料力学 | 曲げ+ねじり+熱応力などの複合荷重問題 | カスチリアノの定理・不静定構造物の解析を強化 |
| 機械力学 | 振動絶縁・動吸振器など実用的テーマ | 2自由度系の解析と伝達率の理解を深める |
| 熱力学 | ブレイトン・ランキン複合サイクル中心 | 状態量・効率計算を最後まで導ける力が必須 |
| 流体力学 | 運動量保存則・ナビエ–ストークスの応用 | ノズル・曲がり管・噴流などの力解析問題が頻出 |
試験日程の目安(2026年度)
| 段階 | 時期(目安) | 内容 |
|---|---|---|
| 出願期間 | 5月中旬〜6月上旬 | 書類提出(TOEICスコア含む) |
| 筆記試験 | 7月下旬〜8月上旬 | 専門科目試験(2科目選択) |
| 合格発表(一次) | 8月中旬 | 筆記試験の結果発表 |
| 口述試験 | 8月下旬 | 教授3名との面接 |
| 最終合格発表 | 9月上旬 | 修士課程合格通知 |
機械系での研究室選びと教授とのコンタクト方法
東京科学大学の機械系は研究室の数が非常に多く、30を超える研究グループが存在します。
その分、自分の興味と合う研究室を見つけやすい反面、どこを志望すべきか迷う人も多いです。
外部受験の場合、研究室選びと教授へのコンタクトが合否に大きく関わるため、早めの情報収集が欠かせません。
研究室の探し方
まずは公式サイトの「工学院 機械系 教員一覧」から、教授名と研究テーマを一覧で確認しましょう。
各研究室ページでは、最近の研究テーマや発表論文、学生の所属人数などが掲載されています。
気になる研究室が見つかったら、次のポイントで整理すると判断しやすくなります。
- 自分の学部での研究とどの程度関連しているか
- 実験・解析・設計など、どんなアプローチが中心か
- 教授・准教授の研究スタイル(理論重視/応用重視)
- 博士課程や企業共同研究の有無
東工大時代から続く研究室も多く、ロボティクス、流体、熱工学、材料、制御といった分野のほか、医療機器・ソフトロボット・エネルギー変換のような新しいテーマも多く見られます。
大学の枠を超えて他研究室と共同で研究しているケースもあるため、複数分野にまたがるテーマも選びやすいです。
教授へのコンタクト時期と流れ
多くの受験生は2〜4月頃に連絡を始め、3月上旬に面談や研究室訪問を行っています。
教授との面談で「研究テーマの相性」や「受け入れ可否」を確認できるため、早めの行動が重要です。
一般的な流れ
- 興味のある研究室を2〜3件に絞る
テーマ・指導教員の研究内容を比較して候補を決定。 - 教授にメールを送る(2〜3月が目安)
自己紹介、志望理由、現在の研究内容を簡潔にまとめる。 - Zoomまたは現地での面談・訪問
研究室の雰囲気や進行中のテーマを直接聞ける貴重な機会。 - 訪問後にお礼メールを送る
印象を良くするだけでなく、意志を明確に伝えられる。
訪問時の注意点
- 服装はスーツまたは清潔感のある私服でOK
- 研究テーマを一通り理解しておくと質問がしやすい
- 興味を持った理由を自分の言葉で話す
- 可能であれば、研究室での雰囲気や先輩の話も聞く
訪問や面談を通して、教授との相性や研究環境を確認することで、出願後のミスマッチを防ぐことができます。
合格するための勉強法・研究計画書の書き方・面接対策
東京科学大学の機械系入試は、出題範囲が広く、基礎理解と応用力の両方が求められます。
筆記・計画書・面接それぞれにポイントを押さえて対策することが大切です。
筆記試験の勉強法
多くの合格者は4月ごろから本格的に勉強を始めています。
前半は教科書で基礎固め、6月以降は過去問中心に切り替える流れが一般的です。
主な教材はJSMEシリーズと「機械系大学院への四力問題精選」。
2024年度からは全4問必答形式になったため、苦手分野を作らない総合対策が必要です。
| 科目 | 重点テーマ |
|---|---|
| 材料力学 | 曲げ+ねじり+熱応力の複合問題 |
| 機械力学 | 強制振動・動吸振器・伝達率 |
| 熱力学 | ブレイトンサイクル、ランキンサイクル |
| 流体力学 | 運動量保存則・ナビエ–ストークスの応用 |
志望理由書のやりたい研究の書き方
研究計画の部分は、教授が最も注目していて重要です。
内容が抽象的になりすぎないように、研究室とのつながりを明確に書くことがポイントです。
構成の目安は
- 研究背景と目的
- 研究内容(具体的な手法や材料)
- 研究室で学びたいこと・今後の展望
例:
「学部で行った構造解析の経験を活かし、貴研究室で進められているソフトロボットの変形検知技術を発展させたい。」
教授との面談で聞いた話を反映すると、より説得力が増します。
面接対策
筆記通過者のみが受験でき、教授3名対1名の個人面接で10〜15分ほど行われます。
雰囲気は穏やかで、研究内容や志望理由など、志望理由書に沿った質問が中心です。
待ち時間が長く電子機器が使えないため、印刷した志望理由書を読み返しておくのがおすすめです。
自分の言葉で話せるように練習しておけば、落ち着いて答えられます。
合格後のキャリアと学費・奨学金制度について
学費と支援制度
東京科学大学の大学院は、国立大学標準の学費が適用されます。
- 入学金:約28万円
- 授業料:年額約53万円(前期・後期で分納)
学費は他の国立大学と同じですが、奨学金制度が充実しています。
主な支援制度は以下の通りです。
- 日本学生支援機構(JASSO)奨学金:第一種(無利子)・第二種(有利子)
- 大学独自の奨励金制度:成績優秀者や研究業績に応じて支給
- RA(リサーチ・アシスタント)制度:研究補助業務で手当を受け取れる
- 民間財団奨学金:ローム、三菱UFJ、伊藤国際など
修了後の進路・キャリア
修士課程修了後は、大手メーカーの研究開発職や博士課程進学が主な進路です。
就職先はソニー、トヨタ、キーエンス、日立製作所、川崎重工など、研究開発志向の企業が多い傾向です。
大学院での研究経験は、設計や解析だけでなく、課題解決力や論理的思考力として高く評価されます。
博士課程に進む学生も多く、企業の研究所やアカデミアを目指す道も開かれています。
外部から進学した学生も多く、修了後の進路は学部出身に関係なく幅広いです。
研究に集中できる環境と支援制度が整っているため、学びをそのまま将来のキャリアへつなげやすい大学といえます。
まとめ
東京科学大学大学院の機械系は、外部受験者にも門戸が開かれた研究重視の環境です。
筆記では基礎の理解力、研究計画書では研究とのつながり、面接では考えを自分の言葉で伝える力が求められます。
外部から進学する学生も多く、研究設備や奨学金制度が整っているため、
「より専門的に学びたい」「研究開発職を目指したい」という学生には理想的な進学先です。
早めの情報収集と計画的な準備を進めていけば、確実にチャンスをつかめます。


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