はじめに
こんにちは、パイセンログを運営しているパイセンです。
正直に言います。半年前の私は「東工大なんて無理」と思っていました。地方の私立大学で、周りに外部受験する人もいない。過去問を見ても難しすぎて、最初の1問も完答できない。そんな状態からのスタートでした。
でも、2026年9月。私は東京科学大学大学院(旧東工大)機械系B日程の合格通知を手にしていました。この記事では、「諦めかけた瞬間」「乗り越えた壁」「今だから言える失敗談」を包み隠さずお伝えします。
決意の裏にあった「不安」と「覚悟」
外部受験を決めた3つの理由
1. 研究環境への強い渇望
私の大学では、博士課程に進む先輩が学科全体で年に1人いるかどうか。研究室のミーティングでも「就活どう?」という話題ばかりで、最先端の論文を読んで議論する雰囲気はありませんでした。
ある日、東工大の研究室のWebサイトを見て衝撃を受けました。学生が国際学会で発表し、企業との共同研究も盛ん。「ここなら、本当に研究者として成長できる」。そう確信した瞬間でした。
2. 学費という現実的な壁
私立大学院の2年間で約300万円。対して国立は約120万円。この180万円の差は、奨学金を借りる私にとって人生を左右する金額でした。
3. 先輩の「失敗」が教えてくれたこと
研究室の先輩が東工大に挑戦して不合格になったとき、周りは「無謀だった」と言いました。でもその先輩、自大学の院試で学科トップの成績を取り、2年間の学費全額免除を勝ち取ったんです。
先輩はこう言いました。「外部受験の勉強は、たとえ落ちても絶対に無駄にならない。自分の限界を知れるし、基礎力が圧倒的に上がる。」
この言葉が、私の背中を押してくれました。
なぜ東京科学大学(旧東工大)だったのか
最初は東大、京大、東工大、阪大…と候補を挙げていました。でも調べるうちに、東工大(現・東京科学大学)が「外部生に最もチャンスがある大学」だと気づいたんです。
- ✓ 受験者の約半数が外部生(約400人中200人)
- ✓ 過去問と体験談が豊富(ネット上に10年分以上)
- ✓ TOEICスコア提出可(自大学と共通の対策)
- ✓ 研究室の多様性(ロボット、バイオ、宇宙工学まで)
「外部生でも、きちんと準備すれば戦える」。そう思えたのが決め手でした。
孤独な戦い:6ヶ月間のリアル
最初の挫折「1問も解けない過去問」
3月、勉強を始めて最初に手をつけた過去問。材料力学の1問目から完全にフリーズしました。
「梁のたわみ角を求めよ」という基本問題のはずが、境界条件の設定すら分からない。3時間粘って、答えは白紙。その日は何も手につきませんでした。
でも、ここで気づいたんです。「過去問が解けないのは当たり前。まず教科書レベルをマスターしよう」と。
転機となった「勉強法の確立」
試行錯誤の末、私は以下のルーティンを確立しました:
【平日】朝6時起床 → 1.5時間勉強 → 大学・研究室 → 帰宅後2時間
【休日】図書館に朝から通い、8時間集中(昼休憩1時間込み)
特に効果的だったのは、「自分の言葉で説明できるまで」を合格基準にしたこと。友達に説明するつもりで、声に出して解説する練習を繰り返しました。
6月の危機「もう無理かもしれない」
勉強を始めて3ヶ月目。過去問の正答率が5割を超えない日々が続き、心が折れかけました。
研究室の同期から「内部推薦でラクに進学できるのに、なんで?」と言われた日は、本気で諦めようと思いました。
でも、その晩。過去問ノートを見返したとき、気づいたんです。「3ヶ月前は1問も解けなかったのに、今は半分解けている」と。
成長は確実にあった。あと2ヶ月、信じてみよう。そう決めました。
7月の急成長「突然繋がった瞬間」
7月中旬、夏の集中期。毎日10時間勉強する日々の中で、「知識が繋がる瞬間」が何度も訪れました。
材料力学と機械力学、熱力学と流体力学…バラバラだった知識が、実は全て「力とエネルギー」という共通の原理で繋がっていると気づいたとき、世界が変わりました。
この時期、過去問の正答率は一気に7〜8割まで上昇。「もしかしたら、いけるかもしれない」という希望が見えてきました。
試験当日:緊張と後悔の3時間
前日の過ごし方「新しいことはやらない」
試験前日は実家で過ごしました。新しい問題は一切解かず、自作のまとめノートを眺めるだけ。
当日朝:大岡山駅での光景
朝7時半、大岡山駅に到着。駅から会場に向かう道には、受験生の列。みんな真剣な表情で、圧倒されました。
会場には試験開始50分前に到着。すでに半数以上が着席していて、シャーペンの音だけが響く静寂。服装は9割が私服、1割がスーツでした。
席に座った瞬間、心臓の鼓動が耳に響きました。「ここまで来た。あとは出し切るだけ」。そう自分に言い聞かせました。
筆記試験:最大の後悔と学び
問題用紙が配られ、開始の合図。最初の10秒で全体をざっと眺めました。
「見たことある形式…でも、やっぱり難しい」
最初の1時間は順調でした。材料力学、熱力学は手応えあり。でも、機械力学の問3で完全に詰まりました。
振り子の非線形振動の問題。最初の小問は解けたのですが、後半で「ここから先、どう式変形すればいいんだ…?」と手が止まってしまったんです。
そして、最大のミスをしました。
この1問に40分も費やしてしまったのです。結局解けず、次の流体力学に進んだときは残り時間50分。焦りから計算ミスを連発し、最後は時間切れで空欄を残してしまいました。
【教訓】時間配分を事前に決めておくことが絶対に必要です。「1問15分で解けなかったら飛ばす」といったルールを決めておくべきでした。
試験後の3日間「生きた心地がしなかった」
試験終了後、会場を出た瞬間に「やばい、落ちたかもしれない」という不安が押し寄せました。
合格発表までの3日間は、本当に長かった。何をしても手につかず、試験問題を思い出しては「あそこでこう解けば…」と後悔の連続。
友達からの「どうだった?」というLINEにも、「微妙…」としか返せませんでした。
合格発表:人生が変わった瞬間
発表の日。朝から何度もスマホを確認し、時計を見ては落ち着かない状態でした。
スマホを握りしめ、リロードボタンに指を置いていました。手が震えて、画面がぼやけて見えるほど。
ついに発表がされました。
受験番号を上から順に目で追っていきます。
「あった…!」
自分の番号を見つけた瞬間、時間が止まりました。何度も見直して、「間違いじゃないよね…?」と確認。
途中やらかしたこともあり、落ちているかもと思っていたのでとても嬉しかったです。
口頭試問:最後の関門
筆記通過から4日後、口頭試問の日がやってきました。
「筆記通過=ほぼ合格」という噂は聞いていましたが、それでも不安は消えませんでした。当日はスーツで臨み、受験生もほぼ全員スーツ姿でした。
待機室での緊張
待機室には20人ほどの受験生。志望理由書を見返したり、本を読んでる人もいました。
私は志望理由書に書いた「なぜこの研究室を選んだのか」「将来何を研究したいのか」を、何度も頭の中でシミュレーションしていました。
本番:穏やかな雰囲気に救われた
名前を呼ばれ、部屋に入室。教授3人が並んで座っており、一瞬ドキッとしましたが、笑顔で「どうぞ座ってください」と言ってくれました。
最初の質問は「志望理由を教えてください」。準備していた内容を、落ち着いて自分の言葉で話しました。
続いて「この研究室で具体的にどんなテーマに取り組みたいですか?」「そのために今、どんな準備をしていますか?」といった質問。
教授たちは私の回答に対して「なるほど」「面白いですね」と相槌を打ってくれて、圧迫感は全くありませんでした。
時間は約12分。「では、これで終わります。お疲れ様でした」と言われ、部屋を出たときには「これなら大丈夫かもしれない」と思えました。
外部受験を終えて:得たもの、失ったもの
得たもの
1. 圧倒的な基礎学力
外部受験の勉強は、大学4年間の学びを総復習する機会でした。この過程で培った基礎力は、これからの研究に確実に活きると確信しています。
2. 自分を信じる力
「無理かもしれない」と何度も思いながらも、最後まで諦めなかった自分を、今は誇りに思います。この経験は、今後どんな困難に直面しても、乗り越える自信になります。
3. かけがえのない出会い
外部受験を通じて知り合った仲間、支えてくれた先輩、応援してくれた家族。人との繋がりの大切さを、改めて実感しました。
失ったもの(犠牲にしたもの)
正直に言えば、夏の間は友達との遊びや旅行を全て断りました。SNSを見ると、みんなが海や花火大会を楽しんでいる写真がアップされていて、寂しい気持ちにもなりました。
でも、今思えば、「その時間を勉強に使ったからこそ、今がある」と胸を張って言えます。犠牲ではなく、投資だったのだと。
これから受験する方へ:5つのアドバイス
1. 「解けない」を受け入れる
最初は解けなくて当然です。焦らず、基礎から積み上げてください。私も最初の1ヶ月は過去問1問も完答できませんでした。
2. 時間配分を事前に決める
本番で私が一番後悔したのがこれです。「1問○分」と決めて、その時間が来たら次に進む勇気を持ってください。
3. 孤独を覚悟する
外部受験は孤独な戦いです。でも、その孤独の中で、本当の自分と向き合えます。
4. 情報収集を怠らない
過去問、体験談、研究室の情報…集められる情報は全て集めてください。情報は武器です。
5. 「挑戦したこと」自体に価値がある
たとえ結果が不合格でも、外部受験の経験は決して無駄になりません。私の先輩がそうであったように。
まとめ:挑戦して本当に良かった
東京科学大学(旧東工大)の大学院試験は、確かに簡単ではありません。でも、「絶対に無理」という試験でもありません。
半年前の私は「東工大なんて夢のまた夢」と思っていました。でも、諦めずに一歩ずつ進んだ結果、夢は現実になりました。
この挑戦を通じて、私は「努力は裏切らない」という言葉の本当の意味を知りました。
もしあなたが今、「受けようか、やめようか」と迷っているなら。
私は声を大にして言いたい。
「挑戦してください」
結果がどうであれ、その経験は必ずあなたの財産になります。
私の体験談が、少しでもあなたの背中を押すことができたら嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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